高い保湿性でスキンケアに効果的な、ワセリン

その安さと使い易さから、敏感肌の方にも長年愛される製品です。また中でも純度の高いプロペト軟膏などは、高い安全性を持つと言われます。

ただ鉱物油が主原料である、このワセリン。継続的に使用して、何も問題はないのでしょうか?

ここではワセリンの保湿効果成分の危険性について、詳しくご説明します。また問題提起だけでなく解決策も提示しますので、ご一読いただければ幸いです。



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ワセリンの保湿効果と本当の危険性

では早速、ワセリンの保湿効果と危険性を合わせてご説明します。まず最初にワセリンには、以下の効果があります。

そしてこのシンプルな効果は、スキンケアにおいて幅広く活用されています。

ワセリンの保湿効果
角質層からの水分蒸発を防ぐ。
ずばりワセリンの効果は、これだけです。

そしてこの効果のおかげで、洗顔後に角質に浸透させた化粧水等の蒸発を防ぐことができます。いわば角質細胞内に留まる水分・化粧水を、外に逃さない役割です。

ワセリンの成分と製造過程
つまりワセリンは単独で使用するのではなく、あくまでも保護の役割。ワセリン自体の保湿効果は非常に弱く、化粧水等と併用することで効果を発揮します。

そのため多くの場合は、洗顔➡化粧水➡ワセリンの順で塗布し、高い保湿効果を維持します。まずここまでが、保湿に繋がるワセリンの効果です。

ワセリンの成分と精製純度

では次に、ワセリンの成分と精製純度をご覧ください。またここでご説明する成分は、次の『ワセリンの危険性』に繋がる部分です。

多くは『不純物が少ない』と言われるワセリンですが、問題は不純物に関する要素だけなのでしょうか。

まずワセリンの原料となるのは、原油を精製する際に生まれる『ペトロラタムゼリー』です。正しくは原油精製時の不純物の中に、このペトロラタムゼリーが含まれています。

そしてワセリン・ヴァセリンは、このペトロラタムゼリーをさらに高純度に精製したものです。さらにその精製純度の高さにより、黄色ワセリン➡白色ワセリン➡プロペト➡サンホワイトと名称が変化します。

ワセリンの精製純度

このようにワセリンの種類は、その精製純度に合わせて4種類存在します。そして当然ながら高純度につれて不純物も減少し、アレルギー反応の可能性が低くなります。

さらに価格も精製純度が高くなるにつれて、高額に設定されています。敏感肌の方がワセリン・ヴァセリンを使用される場合は、より精製純度の高い製品がお勧めです。

成分から見る危険性

では次に、ワセリンの成分からご説明します。原油から二回の精製を経て作られるワセリンですが、肌に直接塗布しても良いのでしょうか。

実はこの問題には多くの論争があり、未だに一つの回答が出ていません。まずワセリンには、以下の問題点が危惧されています。

ワセリンに危惧される問題点

では早速、これらの問題を一つ一つ検証しましょう。

原油由来のため、アレルギーの危険がある

まずはワセリンの成分による、アレルギーの危険性です。これはワセリンの主原料ペトロラタムゼリーの元が原油であり、肌へのアレルギー反応が危惧されるという点です。

これは酸化しやすく皺やシミの原因になるという見方もあります。

確かに石油由来と言われれば、お肌に直接塗布するには抵抗感があるでしょう。特にメンズケア・女性スキンケアで継続的に使う場合、安全性に不安が残ります。

そしてこの点に関しては、以下の肯定論と否定論が存在します。

原油由来に対する肯定・否定意見
まず肯定派の意見としては、『動物性・植物性油も同様に酸化する』『高純度で精製すれば問題ない』という意見があります。これら意見については、確かにワセリン等の鉱物油だけでなく、植物性・動物性も酸化します。

その他の保湿系オイルも酸化しますし、空気に触れすぎた時間が長すぎれば、シミや色素沈着の原因となり得ます。さらに最も精製純度の高いサンホワイトなら、アレルギー原因である不純物もかなりの精度で除去されるでしょう。

しかし一方で否定派には、『本来鉱物油は顔に塗布するものではない』『高重度精製でも不純物は残っている』等の意見が見られます。確かに鉱物油をお肌に塗る習慣は日本人にはあまりなく、同時に純度100%で精製することも難しいでしょう。

特に敏感肌の場合は、極わずかなアレルギー成分でも反応します。そのためやはり、ワセリンを水を塗るのと同義に捉えることは難しいでしょう。

では結局のところ、鉱物油であるワセリンは危険なのでしょうか。これには肯定派・否定派の両方の正しい部分から、以下の一つの答えが導き出されます。
一つの結論
比較的安全だが、長期的な使用には不向き』。これは鉱物由来の不純物が色素沈着を作り易い点と、後述の『保湿依存』を理由とします。

また鉱物油は比較的酸化しづらくアレルギー反応も少ないとされますが、肌への密閉度は高いです。そのため保湿力は抜群に高いのですが、皮膚に少なからず負担がかかるのも事実です。

そのため成分に付随する一つ目の結論としては、『長期的には不向き』だということ。ただこの問題点に関しても、後ほど解決策を提示させていただきます。

細胞を強く覆うため、皮膚呼吸を妨げる

次にワセリンが鉱物油であることによる、密閉度の問題があります。これは他の乳液・美容液とは異なり、角質にほぼ密着するタイプの保護であるという問題点です。

まず前述の様に、ワセリンは化粧水等で保湿した角質を蓋のように覆います。そして問題はその密閉度であり、植物性オイルよりも格段に高く密閉します。

そのため『皮膚細胞が呼吸できない』と指摘されることも多く、細胞の代謝の問題が浮上します。つまり細胞の生まれ変わりを妨げる危険があり、ターンオーバーが促進されないのでは?という指摘です。

ワセリンの密閉による細胞呼吸
この点に関しては、確かに密閉されることにより酸素透過度は下がります。ただそれ以上に重要な点は、『人は皮膚呼吸をほぼ行わない』という事実です。

これは未だ議論が残る部分ですが、現在は多くの美容業界でも共通した見解となっています。人は皮膚を使って呼吸をすることはなく、存在しても極微量だと考えられています。

つまり細胞自体が呼吸することはなく、密閉により細胞が死滅することはありません。もし仮にそうならば、酸素透過が弱い真皮層の細胞は恒常的に死滅することになるためです。

ただ密閉されることで外部からの保湿が行われず、乾燥により死滅することはあります。それは肌にワセリンだけを塗るなどの場合であり、ワセリンの誤った使い方の一つです。

さらに保湿と血流が維持されていれば、ターンオーバーじゃ起こり得ます。酸素透過だけが重要な要素ではなく、密閉された角質細胞であってもターンオーバーは発生します。

これらの真実から、ワセリンによる密閉には一つの答えが導かれます。それは『密閉で細胞は死滅しない・保湿が重要である』ということです。

ワセリンの密閉に対する一つの答え
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密閉により生じる別の問題
ただここで、一つの例外があります。それは、『アトピー性皮膚炎の場合、不快感がかゆみに変化する』という問題です。

これは皮膚呼吸等の問題ではなく、いわゆる密閉による通気性の悪さが大きく影響します。皮膚呼吸が行われないことではなく、物理的に空気が皮膚細胞に触れない不快感が大きな要因です。

また同時に鉱物油の僅かなアレルギー物質にも過剰反応し易く、塗布することで痒みと不快感が残ります。そのためアトピー性皮膚炎には、ワセリンによる高密着保湿は適さない場合が多いでしょう。

常用することで『保湿依存』が起こる

そして最後は、常用することによる『保湿依存』の問題があります。これは実際に保湿を続けることで感じる、体本来の保湿機能の低下問題です。
保湿依存とは
外部から化粧水等の保湿剤を塗布・浸透させることで、体本来の保湿機能が次第に衰えるとする考え方。
事実外部からの保湿により、細胞自体の保湿機能が低下することは十分に考えられる。
確かに化粧水等で保湿すると、体は外部の保湿要素に頼る性質があります。特にアトピー患者様等がワセリン・プロペト等の使用を続けることで、保湿を辞められなくなる場合も少なくありません。

さらにワセリンの保湿性能(※正しくは保湿の保護)は非常に高く、本来自然では得られない保湿力を維持します。そのため他の化粧水などより中毒性も高く、依存してしまう傾向があります。

ワセリン等による保湿依存

ただこの保湿依存は、全ての化粧水・保湿クリーム等にも問題視されます。ワセリンだけでなく保湿成分を含む化粧水全てにおいて、この保湿依存は問題になり得るのです。

そのため保湿依存に対しては、以下の選択が必要です。
保湿依存と向き合うための選択肢
  • 強い乾燥を感じる時期のみ、ワセリン・化粧水を塗布する
  • スキンケアしたい場所だけ、ワセリン・化粧水にて保湿する
  • 洗顔を丁寧に行い、水分補給・食事による内部保湿に力を入れる
  • 一つ上の保湿のために、常にスキンケア製品を使用する